建物は、私たちの社会において極めて重要な社会インフラの一つです。建物は人が設計し、人が建設し、人が利用し、そして人が管理するものです。したがって、その「管理」を担う人の技量や意識によって、建物の状態は大きく左右されます。
私たちは、建物の「管理」を通じて、社会インフラの維持管理や品質向上、快適性の確保に貢献していくことを使命としています。これらの活動を継続し、建物の価値を維持・向上させることが、社会全体への貢献につながります。
この「管理」を適切に行うためには、専門的な知識と経験が必要不可欠です。そのため、我々は研修を通じて、必要な業務や環境について学び、実践的なスキルを磨いていきます。ビル管理の世界は非常に奥深く、学び続けることで、より高い品質のサービスを提供できるようになります。ともに学び、成長していきましょう。
建物に携わる人々と役割
1. 所有者・運用会社
• 建物の所有者(法人)
建物の所有者には、銀行、生命保険会社、不動産ディベロッパーなどの企業が含まれます。
• 運用会社(不動産投資法人・信託銀行など)
資産としての建物を運用し、収益を最大化するための管理を行います。
• アセットマネジメント(資産運用会社)
不動産の資産価値を最大限に引き出すための戦略を立案し、運営を行う高度なマネジメント業務を担います。
• リーシング会社(賃貸仲介・管理)
テナントの誘致や賃貸契約の管理を行い、建物の稼働率を最適化します。
• コンストラクションマネジメント
建物の新築工事や改修・修繕工事の計画・管理を担当します。
2. 利用者(テナント)
• テナント企業・個人
建物内で業務やサービスを展開する企業や個人事業主(銀行、カフェ、レストラン、塾など)が該当します。
3. 建物設備管理会社
• 建物の維持管理
建築設備(電気、消防、空調、給排水、衛生設備など)の点検・保守、清掃、警備など、日々の維持管理を担います。
• 法令に基づく設備管理
定期的な法定点検や設備の更新など、安全性を確保するための業務を行います。
管理に必要なツール
1. データベースの活用
建物管理において、蓄積されたデータの活用は不可欠です。
• オーナー情報・利用者情報
建物の所有者やテナントの情報を管理し、スムーズな運営を実現します。
• 設備情報・修繕履歴
設備の状態や修繕履歴を記録し、長期的なメンテナンス計画に役立てます。
2. 資格・ライセンス
ビル管理業務では、各種法令基準を遵守するために資格が必要となります。
• 建築物環境衛生管理技術者
• 電気主任技術者
• エネルギー管理士
• 消防設備士
• 一級建築施工管理技士 など
これらの資格を取得することで、管理業務の幅を広げ、より高度な対応が可能になります。
3. 機器・ソフトウェアの活用
• 業務支援ツール
Excel、Word、PowerPoint、タブレット、モバイル端末などを活用し、業務の効率化を図ります。
• 図面管理ソフト
2D・3D CAD、さらにはVR技術を活用した建物管理が進化しています。デジタル技術の活用が、業務の精度向上に貢献します。
定期的な点検・作業・清掃
. 定期点検の重要性
建物の管理業務では、「定期的な点検・作業・清掃」が極めて重要です。
これらの業務は契約によって定められており、日常的・月例的に実施されます。
• 日常点検:毎日または毎週行う簡易的な設備点検
• 月例点検:月単位での定期的な点検(エレベーター点検、給排水設備点検など)
• 年次点検:消防設備点検、特定建築物定期調査など、法令に基づく点検
2. 定期点検以外の業務
定期点検とは別に、「突発的なトラブル対応」も求められます。
• 緊急対応:設備故障、停電、漏水、災害対応など
• 予防保全:日々の点検を通じて兆候を把握し、故障を未然に防ぐ
建物管理では、定期的な作業と突発的な対応の両方が求められます。特に、緊急時の対応能力は、ビル管理の真価が問われる重要なポイントです。
3. 仕事の創出
定期点検の枠を超えて、より良い建物管理を提案することが、業務の発展につながります。
• 契約にない業務の提案
例えば、追加の清掃サービス、エネルギー効率改善提案、設備更新計画の策定など、積極的な提案が求められます。
• 新技術の活用
IoTセンサーやAIを活用した設備管理の導入など、最新技術の活用も重要です。
まとめ
ビル管理(ビルメンテナンス)は、建物の安全・快適性を維持し、社会インフラの品質向上に貢献する重要な仕事です。そのためには、専門的な知識とスキルを磨き、最新の技術や管理手法を積極的に取り入れていく必要があります。
定期的な点検と突発的な対応を的確に行い、建物の長寿命化・資産価値向上を実現することが、私たちの使命です。
共に学び、成長し、より良いビル管理を目指していきましょう。
コメント